かなり古い真空管ラジオが出てきました。銘板を見ると昭和24年(1949年)製造となっています。


電源を入れてみると見た目からの予想どおり何も受信できない状態でしたが、ブーンという
ハム音は鳴ります。むかしの製品なので裏板に回路図が付いていました。(MMF=pFです)

スーパーヘテロダイン構成です。簡単なブロック図にするとこんな感じです。

6W-C5の7極管1本で局部発振と周波数変換を行い、UZ-6D6で中間周波増幅をして、
6Z-DH3Aの入力二極管部で検波をしつつ三極管部で増幅し、6Z-P1でスピーカを鳴らします。
検波出力電圧から0.1秒の時定数で前段にA.V.C.をかけ、音量VR前の検波後フィルタは、
PU入力切替時にはSPレコード向け補正(いわゆるRIAAの様なフォノイコライザ特性)を実現し、
音量VRで補正量をフラットまで調整できます。三極管で増幅後、ラジオとPU共通の低域高域
フィルタをかけて出力しています。少ない管数かつ部品点数でとてもうまく工夫されています。
ハム音は出ているのである程度動作はしているということで、試しに修理してみました。
不良のペーパーコンデンサと電解コンデンサの交換と、各同調回路の調整をすることで
ちゃんとアンテナをつなぐと大阪の6局が全て聞こえてきました。意外といい音で鳴ります。
使われている真空管はST管と言われる古いものです。まだ動作することに驚きです。

昔の技術もすごいですね。